青葉横丁



青葉横丁(静岡市葵区) 青葉通りを南に進み、青葉交番のある広い通りの一本手前の路地を左に曲がると、右手に「青葉横丁」の赤い看板がある。戦後間もないころ青葉通りに並んだ屋台が、街の整備にあわせてこの場所に移ったと聞く。



夕方でもまだ早かったからか、開けてる店は少ない。まだ明るいこの時間は横丁の奥は薄暗く、表通りとは別の世界だ。この暗さの中に、何か妖しいもの、得体の知れないもの、それでいて人を惹きつける魔力のようなものがある。



横町の奥に入ると、ここだけが昭和に戻ったような錯覚に陥る。店からこぼれる暖かな光り、酔った客の笑い声、のれんから中を覗く客、ネクタイを緩め千鳥足で歩くサラリーマン。今、目の前にある光景だ。この薄暗い横町には、戦後の荒廃から現在に至るまで何十万何百万という人々の姿を見続けてきたこの街の記憶が堆積している。もしここがなくなったり、きれいに整備されたりしたとしたら、静岡の街は、虚ろなマネキン人形のようになってしまう。
コメント