北原白秋(7)



 薊の花


今日も薊の紫に、
刺が光れば日は暮れる。
何時か野に來てただひとり
泣いた年増がなつかしや。

日々の戒め(78)


photo by yoshihiro ohmura

人生には一定の限界がなければならない。ちょうど果樹や畑の産物のように、また、一年における四季のように。すべてのものは生起し、持続し、やがて過ぎ去っていく。県人は潔くこの諸行無常の理に服する。
(キケロ)

県知事ってもうかるの



あちこちの県で知事さんが問題を起こしているのにゃ。昔は知事さんなんてのは、とても偉い人にみえたにゃぁ。今じゃただの人だとわかちゃってるから、問題を起こしてもたいして驚かないのにゃ。やっぱりそうなのにゃ、くらいだにゃ。だいたい、「私がやります」、にゃんて自分から言う人は信用できないにゃ。それに、そういう人のまわりには選挙やら何やらで世話しておいてうまいこと儲けようて人間がうじゃうじゃいるにゃ。そういう人の力関係で世の中のことが決められている感じがするにゃ。この際、思い切って県知事はおかないにして、大事なことはみんながインターネットで投票するなんてのはどうにゃ?「今日のタマの夕飯はサンマとする件について、県民の投票を行ないます。本日正午までに全県民は端末から本案についての可否及びその理由を入力して下さい。」サンマは我慢するから、中に入れてほしいにゃー。

北原白秋(6)



 青い小鳥


知らぬ男のいふことに、
青い小鳥よ、樫の木づくり、わしの寢床が見馴れたら
せめて入日につまされて鳴いておくれよ、籠の鳥、
牛乳が好きなら牛乳飮まそ、
野芹つばなも欲しかろがわしの身體ぢやままならぬ。
何がさみしいカナリヤよ、
――よしやこの身が赤い血吐いていまに死なうとそなたは他人。
じつと默んだ嘴にケレオソートが沁むかいな。

死んだ娘のいふことに、
青い小鳥よ、擔荷の上のわしの姿が見えぬとて
ひとの涙のうしろからちらと鳴くのか、籠の鳥、
弔むそなたの眞實は
金の時計か、襟どめか、惜しい指輪の玉であろ。
何がかなしいカナリヤよ、
――よしやこの身が解剖をされて墓へかへろとそなたは他人。
やつといまごろ鳴いたとて死んだ肌がなんで知ろ。

わしの從兄弟がいふことに
青い小鳥よ、樫の木づくり、おなじ寢どこに三人まで
死ぬる命の贐に鳴いて暮らすか、籠の鳥、
ケレオソートにや馴染みもしよが、
いつも馴染まぬ人の眼が今ぢやそなたも厭であろ。
何がせはしいカナリヤよ。
――よしやこの身が冷たくなろと息が締れよとそなたは他人。
死なぬさきから鳴かうとままよ、あとの二日でわしも死ぬ…………

日々の戒め(76)


photo by yoshihiro ohmura

日常の目立たぬ義務を絶えず素直に、高い道義感をもって遂行することは、その人の性格を強固なものとし、俗世の騒擾の中にあっても、断頭台の上にあっても雄々しく強く振る舞う力を与えるであろう。
(エスマン)

日々の戒め(75)


photo by yoshihiro ohmura

汝の重荷を負い、、そこに汝の幸福があることを知れ。その重荷から汝の理性的生活に必要なものを摂取せよ。あたかも胃が食物から身体に必要なものを摂取するごとく、あるいはまた、火が何かを投げ込まれるとますます燃えさかるごとく。
(マルクス・アウレリウス)

北原白秋(5)


photo by yoshihiro ohmura

  君

かかる野に
何時かありけむ。
仏手柑の青む南国
薫る日の光なよらに
身をめぐりほめく物の香、
鳥うたひ、
天もゆめみぬ。

何時の世か
君と識りけむ。
黄金なす髪もたわたわ、
みかへるか、あはれ、つかのま
ちらと見ぬ、わかき瞳に
にほひぬる
かの青き花。

日々の戒め(74)



自然観察ではいつも
すべてと同様に個を注意しなければならない。
何ものも内になく、何ものも外にない。
内にあるものは外にもあるものだから。
さらばためらわずつかめ、
聖なる明らかな秘密を。
(ゲーテ)

タマ ひなたぼっこ



「にゃー、ひなたぼっこは、あったかいにゃー。昨日の津波警報には、驚かされたにゃー。何もなかったからよかったのにゃー。松坂の60億円には腰が抜けたにゃー。できる男は違うのにゃー。藤原紀香と陣内智則の結婚には、目が飛び出たにゃー。二人でお笑いコンビくむといいのにゃー。オシムジャパンは、勝ってよかったにゃー。でも闘莉王とか我那覇とか難しい名前がふえてどこの国のチームかよくわからにゃいのにゃ。女子バレーは強くなったにゃー。昨日もよかったけど、セルビア・モンテネグロ破ったときは感動したにゃー。今日も中国を撃破するのにゃ。ボジョレ・ヌーボー解禁だにゃ。まだソンにゃことで喜んでたのにゃ?さんまのほうがいいのにゃ。にゃっ?晩飯のさんまはどうにゃったにゃ?かつぶしごはんには飽きたのにゃっ!さんまにゃーっ!

北原白秋(4)



   青き花

そは暗きみどりの空に
むかし見し幻なりき。
青き花
かくてたづねて、
日も知らず、また、夜も知らず、
国あまた巡りありきし
そのかみの
われや、わかうど。

そののちも人とうまれて、
微妙くも奇しき幻
ゆめ、うつつ、
香こそ忘れね、

かの青き花をたづねて、
ああ、またもわれはあえかに
人の世の
旅路に迷ふ。