日々の戒め(241)



順境になれてはいけない−それはたまゆらに過ぎ去る。持てる者は−失うことを学び、幸福な者は−苦しむことを学ぶがいい。
(シラー)

日々の戒め(240)



苦悩は活動への拍車である。そしてわれわれは、活動のなかに生命を感ずる。
(カント)

日々の戒め(239)



人間は思索によってではなく、実践によって自分自身を認識するし、自分の為すべきことを遂行する努力のなかにのみ、自らの価値を見いだす。
(ゲーテ)

日々の戒め(238)



汝の良心の咎むることを行なわず、真実と一致しないことを語らぬがよい。そうすることによって、汝は自己の生涯の全使命を全うすることになる。
何人も汝の意思を強制することはできない。意思には泥棒も追い剥ぎもいない。不合理なものを望まず、大多数の人々のように自分一個の幸福ではなくて、社会全体の人々の幸福を願うがよい。人生の使命は、多数者の側に立つことではなくて、汝が意識する内面的掟に従って生きることにある。
(マルクス・アウレリウス)

日々の戒め(237)



人は、この世界におけるおのれの立場をはっきりと見届けたとき、心の持ち方が決まる。心の持ち方が決まれば、いっさいの精神的動揺はやむ。精神的動揺がやむとき、完全な精神的平安が訪れ、そうした精神的平安のなかにある人は、思想活動が活発になる。思想活動が活発になれば、人間はいっさいの真実なものを受け入れるようになる。
(孔子)

日々の戒め(236)



理性の光の中に己の生を置き、理性に奉仕する人にとって、この世において絶望的な立場などというものはあり得ない。良心の呵責も知らず、孤独をも恐れず、騒々しい交際も求めない人−そんな人は高貴に生きているのであり、人々に対しては来る者は拒まず、去る者は追わない。そのような人は、自分の霊がはたして肉体の殻のなかに長くとどまるだろうか、とどまらないだろうか、といったことに心をかき乱されない。その人の行動は、いついかなる時も、目前に死が迫ったときさえも変わるところがない。彼にとっての唯一の関心事は、人々と平和に交際しながら、正しく暮らすことである。
(マルクス・アウレリウス)

日々の戒め(235)



この世のごく些細な事柄の中にも神の力の閃きを認める者は、極めて高い理解力と高い理想を持つ人と言うべきである。そのような人は、自分をも他人をも尊重し、些事をもないがしろにせず、それらをしも神の力の顕現と見るのである。
(ペルシャのジェラルディン・ルーミー)

新医療保健制度始めます。



からす役人「え〜、皆さんっ。本日お集まりいただきましたのは、新しい医療保健制度についてご説明をさせていただくためでございます。最近人間どものあいだでは、お年寄りの年金をねらった保険料強奪制度がはじまり騒いでおりますが、わたしどもからすの制度は、そんなことはありません。全く新しい考え方、それも今までにない合理的な考え方に基づくものです。それでは説明いたします。まず、この制度ですがぁ…。」

からすA「おい、聞いたか?新しい医療保険だってさ。」
からすB「おお、医療保険ね。なんでも今度のは、保険料が今までに比べて格段に安くなるらしいよ。」

からす役人「皆さんが一番関心のある保険料ですが、この制度は、健康を害するおそれのある、あるいは現に害する行為を行なっている者がその危険度に応じて負担するというものです。ですから、たとえば、たばこです。これはかなり健康を害するものですから、たばこの販売価格のの50%を保険料として徴収いたします。それから、車。これは鉄のかたまりがものすごいスピードでからすのわきをすり抜けていくものですから、かなり危険で死に至る確率もかなり高い。ですから、車を買うときの販売価格の80%を保険料として徴収します。」

からすA「へぇ〜、たばこ代に保険料上乗せするとは、考えたねぇ〜。驚いたねぇ〜。」
からすB「でもよぉ、車も保険料上乗せなんて、ちょっとやりすぎじゃないの?」

からす役人「ちょっとそこのあなた、車で驚いていてはいけません。この制度の画期的なところは、メンタルな面にまで踏み込んでいるところです。皆さんに健康に害を及ぼす精神的なストレスを与える者も見逃しません。たとえば、会社の中。社員に無理難題をふっかける上司、あるいは名ばかりの管理職に昇進させて社員をこき使う会社、こうしたものからも、給料あるいは利益の一定割合を保険料として徴収します。」

からすA「いやぁー、おれは気に入ったね。どんどんやって欲しいねぇ。」
からすB「いやいや、それはちょっとおかしいんじゃないの?おれ、そうなったら生活できないよ。」
からすA「あんた、相当ひどいことやってそうだね。」

からす役人「社会全体を見回しますと保険料を徴収する対象となる事例が相当数存在すると思われます。先ほど挙げたものの他にも、企業団体などでは、食品偽装をする会社、税金の無駄遣いをする国や自治体、利権をむさぼる政治家、仕事をせず天下りで儲ける官僚、手抜き工事をする会社、車輌の整備点検を行なわない会社、もう、きりがありません。こういうところから保険料を徴収しますので、医療費は無料、自己負担がないのです。」

からすA「う〜ん、素晴らしい。医療保険の理想型だ!」
からすB「いや、やっぱりおれはよくないと思うよ。つまりは、誰もが保険料払うんじゃないの?」
からすA「みんなが払うのは仕方がない。それより、害を与える度合に応じて金額を決めるってのは公平だ!悪いヤツはどんどん払え!」

からす役人「クソ生意気ながきども、愛想の悪い店員、威張りくさった警察官、態度のわるい職員、仕事をしない公務員、ずうずうしいオバサン、セクハラ教員、頼みもしないのに電話してきて光にしましょうというヤツ、ちゃんと管理できないの年金保険料払えと行ってくるヤツ、誰彼かまわず殺すヤツ、人の命より道路が大事だといってガソリンに税金かけるヤツ、うおぉー、うおぉーっ!」

からすA「…、なんか、だいぶ不満がたまってるらしいね。」
からすB「かなりたまってるね。こりゃ、アブナイね。」

からす役人「こほん、え〜、大変失礼をいたしました。とにかくっ、マジウザイヤツ、いえ、健康を害する行為をする皆様方から保険料をしぼりとる、いえ、納めていただく制度でございまして、世界に例をみない、画期的な制度でございます。」

からすA「聞いたかぎりじゃ、よさそうだけど、実際はどうかなぁ?」
からすB「からすの社会には、たばこも車も携帯も、会社だってないぞ。そもそも、医者なんてどこにもいないしっ。」
からすA「うん、役人が机の上だけで考えた制度だっ!」

からす役人「そっ、そうですか?良い制度なんですけどねぇ。説明が不足してたかな?来月の5月1日から施行いたしますので、よろしくお願いいたします。」

からすA「無視かいっ…。」

日々の戒め(234)



死がわれわれを待ちかまえている−このことだけはわれわれは確実に知っている。“人の一生は、部屋の中を掠めて飛び去る燕のようなもの”。われわれはどこからともなくやって来て、どこへともなく去ってゆく。いよいよわれわれの時が来たとき、うまいものを食べたとか食べなかったとか、柔らかい着物を着たとか着なかったとか、大きな財産を残したとか何一つ残さなかったとか、栄誉に輝いて暮らしたとか蔑まれたとか、学者と思われたとか無学者と思われたとかいったことが−われわれが神に委託された才能をいかに活用したか、ということに比べて、どれほどの意味をもつであろう。
(ヘンリー・ジョージ)

日々の戒め(233)



何を見ているかも知らないで見ている人、どこに立っているかも知らないで立っている人は、災いなるかな。
(「タルムード」)